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耐水圧と透湿性ってなに?レインウェア・アウトドアウェアの基礎知識

2021年9月30日
レインウェア(かっぱ)やアウトドアウェア(防水ジャケット・アウター等)の性能を表す数値として、耐水圧と透湿度(透湿性)があります。普段使うレインウェアやアウターはどのくらいの耐水性と透湿度があればいいのでしょうか?

耐水圧

「どのくらいの水の圧力に耐えられるのか」の基準

耐水圧とは「濡れにくさ」の基準となる数値で、生地にしみ込もうとする水の力を抑える性能のことです。

JIS規格では、「JISL1092:2009繊維製品の防水性試験方法」に繊維製品の防水性の試験方法について規定しています。この試験方法で、どのくらいの水の圧力に耐えられる防水性を持った生地・製品なのか知ることができます。
※JIS規格の「防水性」とは、耐水性・撥水性(はっすいせい)・漏水性(ろうすいせい)などの総称です。

製品や生地に水圧をかけた時にどの程度で水が染み出すか評価する耐水度試験を行い、3滴の水がしみ出た時点の数値を、その生地の耐水圧とします。数値が大きいほど、耐水性が高いと評価できます。JIS規格では、耐水圧2,000mm以上がレインウェアと認定されます。

耐水圧「10,000mm」とは?

レインウェアやアウトドアウェアの耐水圧が「10,000mm」と表示されていたら、その製品(生地)の上に1cm四方×高さ10m(10,000mm)の水柱を立てても水がしみ出さない(水圧に耐えられる)ことを表しています。

普段使うレインウェアは、どのくらいの耐水圧があればいい?

コンビニなどでも売られている「ナイロン製」の傘の耐水圧は250mmくらい、一般的な傘でも耐水圧は300〜500mm程度だそうです。

でも、下の図だと耐水圧250mmは「小雨に耐える」程度ですが、大雨でも問題なく使えていますよね?耐水圧が弱くても、雨の威力がそれほど強くなければ水がしみ込んでくることはありません。ただ、豪雨時のように水圧が強くなると水を通してしまう可能性があります。

一般的な目安
  • 300mm ———— 小雨に耐える
  • 2,000mm — やや強い雨に耐える
  • 10,000mm ————– 大雨に耐える
  • 20,000mm ————— 嵐に耐える
また、レインウェアは人が着用するため、動作によってレインウェアにかかる圧力が変わってきます。

体重75kgの人が濡れた場所へ座るとおよそ2,000mmの圧力がかかり、濡れた場所へひざまずいた場合にはおよそ11,000mmの圧力がかかるとされています。接地面に圧力が加わると、部分的な水濡れが起きやすくなります。

濡れたレインウェアを着たままベンチに座ったり、自転車に乗ったりすると、耐水圧の低いレインウェアでは水がしみ込んでしまい、お尻が濡れてしまう…なんてことも。

レインウェアを選ぶときは使うシーンを考えて、必要な耐水圧があるものを選ぶようにしてくださいね。

アウトドアウェアは、どのくらいの耐水圧があればいい?

スキーやゴルフ、キャンプ、登山といったアウトドアやレジャーで使うウェアは、どれくらいの耐水圧があればいいのでしょうか?

屋外で楽しむレジャーについては雨・雪対策として10,000mm以上の性能があると安心です。登山のように天候が変わりやすい場所では、命を守る対策も必要なため、20,000mm以上の性能があるものを選ぶようにしましょう。

透湿度(透湿性)

「24時間で何gの水分を透過したか」の基準

透湿度(透湿性)とは「ムレにくさ」の基準となる数値で、透湿性に優れたレインウェアは汗でムレにくく、着ていても快適です。

透湿度は、生地1㎡あたりで24時間で何gの水分を透過した(外に出す)かを評価します。数値が高いほど、ウェアの内側で水滴にならない蒸気状態の汗を、生地が外に出す度合いが高いことを表します。

透湿度「10,000g/㎡/24h」とは?

透湿度10,000g/㎡/24hであれば、その製品(生地)1㎡あたり、1日(24h)で10,000g(10kg)の水蒸気の汗を透過する(外に出す)能力があることを表しています。

人は汗をどれくらいかくのか

体質や気候条件によって異なりますが、大人の一般的な汗の量(1時間あたりの目安)は、下の図の通りです。安静にしていても、意外と汗をかいていることがわかりますね。

一般的な目安
  • 安静時 ———— 約50g
  • 軽い運動 ———— 約500g
  • 激しい運動 ———— 約1,000g

普段使うレインウェアは、どのくらいの透湿度があればいい?

普段使うレインウェア。雨を弾いてくれて服やからだが濡れなくて便利ですが、汗をかくとムレてベタベタした経験はありませんか?これは透湿性の低いレインウェアが原因です。

ムレにくいレインウェアなら、透湿度が5,000g〜10,000gのものを選ぶようにしましょう。

アウトドアウェアは、どのくらいの耐水圧があればいい?

透湿度が10,000g以上あれば、ベトベトになりにくいと言われていますが、運動・スポーツ、レジャーやアウトドア、登山で使うアウターやレインウェアなら、汗をかくことを考えて10,000g以上、できれば20,000g以上のものを選ぶと安心です。

特に登山で使う場合、汗でからだが冷えてしまって体力を奪う原因になりますので、透湿度に注意しましょう。

耐水圧と透湿度の数値は永遠ではない

寿命かも?と感じたら買い替えのサイン

製品や生地に表記されている「耐水圧」と「透湿度(透湿性)」は、初期の数値です。

着用したり洗濯したり、繰り返し使うと摩擦によって機能が少しづつ低下していきます。使っていなくても経年劣化で効果を感じなくなることもあります。定期的にレインウェアやアウトドアウェアをチェックして、効果が低下してきたら買い替えをご検討ください。
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