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コロナウイルス対策に!次亜塩素酸水って何?どんな使い方をするの?

2020年10月30日
2020年6月、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は、新型コロナウイルスを用いた候補物資の有効性評価結果の最終報告を公表し、次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの消毒に対して有効であるとの結論を発表しました。

クロスワーカーでも人気商品のひとつ「次亜塩素酸水」。昨年まではインフルエンザウイルス対策の季節商品でしたが、コロナにも有効であると発表された影響で需要が急上昇しています!

今回は「次亜塩素酸水」とは何か、アルコール消毒とは何が違うのか、注意点についてもご紹介します。

出典:独立行政法人 製品評価技術基盤機構
新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめました。~物品への消毒に活用できます~

次亜塩素酸水とはなにか

次亜塩素酸水は、有効塩素濃度を持つ酸性電解水のこと。

生成方法は、塩酸や塩化ナトリウム水溶液を装置で電気分解することで作る「電気分解方式=電解水」と、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸などを混ぜて酸性に調整して希釈させた「混合方式=混合水」の2つがあります。電解水、混合水は共に効果・安全性に変わりはないとされています。

次亜塩素酸水の種類


生成方法による違い
名称
pH
有効塩素濃度(ppm)
電解水
塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電気分解して生成
食品添加物として指定
1. 強酸性次亜塩素酸水
2.7以下
20~60
2. 弱酸性次亜塩素酸水
2.7~5.0
10~60
3. 微酸性次亜塩素酸水
5.0~6.5
10~80
電解次亜水
7.5〜10
50〜200
混合水
次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸などを希釈混合し、ph調整して生成
次亜塩素酸 (HClO)の含有量は商品によって変化させることができる
厚生労働省の定義では、次亜塩素酸水とは「除菌科の一種であり、塩酸又は食塩水を電解することに得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液」となっています。ここで定義されているのは「電気分解方式=電解水」のことで、上表の1.強酸性次亜塩素酸水、2.弱酸性次亜塩素酸水、3.微酸性次亜塩素酸水、のことを指します。

2002年に厚生労働省は「電気分解方式の次亜塩素酸水」を「殺菌料」として食品添加物に指定しました。次亜塩素酸水を食品の殺菌に用いた場合、「次亜塩素酸水は、最終食品の完成前に除去しなければならない」「使用後、最終食品の完成前に除去される場合、安全性に懸念がないと考えられる」との指針を示しています。

最終製品には次亜塩素酸水が残っていてはダメなんですね。なぜなら、次亜塩素酸水は人体への影響が検証されていないためです(後ほど、「次亜塩素酸水は、薬機法で承認されているか?」でご説明します)。

さて、次亜塩素酸水の注意点をお伝えする前に、次亜塩素酸水がどんな菌やウイルスに効果的なのか、確認してみましょう。

出典:
厚生労働省 次亜塩素酸水の成分規格改正に関する部会報告書(案)
厚生労働省 次亜塩素酸水

各種消毒薬との違いは、菌やウイルスの効果範囲!

次亜塩素酸水がコロナウイルスの消毒に有効だと発表される以前から、次亜塩素酸水は様々な菌やウイルスに対する効果が注目されていました。

一般的に手指消毒として使用されている手指消毒用アルコール。コロナ禍のいま、スーパーやレストランの入り口に設置されるようになったので、とても身近な消毒薬のひとつですよね。ところが、アルコールは芽胞(極めて耐久性の高い細胞構造)を形成する細菌や、食中毒の原因にもなるボツリヌス菌に対して効果がありません。また、インフルエンザウイルスやノロウイルスに対しても一定の効果はあるようですが、消毒に数時間かかる場合もあり、短時間で死滅させることは難しいとされています。

その点、次亜塩素酸水は芽胞やインフルエンザウイルスにも効果があり、アルコールの除菌力に比べて強力であることがわかります。

上図で、次亜塩素酸水と同じ効果がある「次亜塩素酸ナトリウム」。

名前は似ていますが、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは、全く別のものです。

塩素系漂白剤は、ドラッグストアなどで市販されている「塩素系漂白剤」のことです。アルカリ性で、除菌・消臭力に優れ、可燃性がないため火器が近くにあっても安心です。商品パッケージに体に害のある成分であることが表記されている通り、アルコール消毒のように、手や体の除菌には使えません。強い塩素臭があるため使用にはしっかりとした換気をすることと、残留性があるため使用後は洗い流す必要があります。使用の注意点はありますが、日常生活で食器や風呂場などの漂白に使用するには便利で、強力な除菌力が期待できます。

次亜塩素酸水は、20秒後に99.99%以上のウイルスが死滅

独立行政法人 製品評価技術基盤機構によれば、次亜塩素酸水は35ppm以上の塩素濃度があれば、20秒後に99.99%以上のウイルスが死滅したと認められました。ただし、次亜塩素酸水は有機物に触れるとすぐに反応して分解されてしまうため、使用する前にまず表面の汚れをよく落とし、十分な量を使用してください。

各種消毒薬との比較


次亜塩素酸水
次亜塩素酸ナトリウム
アルコール
除菌・消臭力
有効塩素濃度35ppm以上
濃度が下がると有効性も下がる
高濃度100ppm以上で有効だが、ウイルス除去には10分以上時間をかける
一部の菌・ウイルスに効果ないが、手洗いだけでは除去できない菌を消毒できる
濡れた場所への使用
×
安全性
×
皮膚に強い刺激
経口摂取不可
タンパク質を腐食する
皮膚乾燥、アレルギー
肌が荒れる
残留性
濃度によるが残留性は少ない
×
残留するため洗い流す
すぐに揮発
臭い
反応時に軽い塩素臭
次亜塩素酸ナトリウム等と混同して使用すると危険
×
強烈な塩素臭
酸との混合で有毒ガスが発生
アルコール刺激臭
可燃性
なし
なし
×
火気注意
保存
濃度が安定しないものもあり、長期保存には向かない
濃度が安定しないものもあり、長期保存には向かない
使用期間も長め
pH
酸性
アルカリ性
-

次亜塩素酸水は、保存・保管に注意しましょう

インターネットで「次亜塩素酸水」を検索すると、有効塩素濃度の違う商品がたくさんヒットします。濃度を比較してみると、例えば「混合方式=混合水」タイプでは200ppm〜500ppmの商品が多いようです。この記事の最初にご案内した「次亜塩素酸水の種類」の表で記載した通り、「混合方式=混合水」は次亜塩素酸(HClO)の含有量を商品によって変化させることができます。そのため、商品によって濃度の差が出てくるのです。

「次亜塩素酸水」を購入するときに、なんとなく濃度の高いものがお買い得ではないか、と考えてしまいませんか?

200ppm〜500ppmの商品は希釈して使うので、濃度が高ければ使用量が少なく済みます。ところが、濃度が高いほど成分の安定性が低く、劣化が早いとされています。輸送時の衝撃による分裂も起こりやすいそうですので、成分の安定性を考えると濃度が低いものを選ぶ方がよいでしょう。

また、次亜塩素酸水は徐々に分解されること(1ヵ月で15ppm程度低減)が分かっていますので、有効期限内に使い切るようにしましょう。

次亜塩素酸ナトリウム・トイレ用洗剤・塩酸・酢などの酸性物質との混合や、併用は絶対にしないでください。

紫外線や高温(60度以上)によっても劣化が起こります。保管するときは紫外線を避けて冷暗所に置きましょう。また、希釈のためにボトルを移し替えるときは、遮光性の容器に入れるか、紫外線を避けて保管してください。

使用時には、使用したい対象の汚れを落として使用してください。次亜塩素酸は有機物によって分解されてしまうため、汚れがあると効力が低下します。

次亜塩素酸水は、薬機法で承認されているか?

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律:旧薬事法)は、日本における医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に関する運用などを定めた法律です。「殺菌」「消毒」という言葉は、医療機器、医薬品、指定医薬部外品、医薬部外品など薬機法の対象となる製品にしか謳うことができません。

医薬部外品には殺菌消毒薬というカテゴリーがあり、このカテゴリーに適合する製品として厚生労働省の承認を受けると、「手指・皮膚の洗浄・消毒」が謳える製品として販売することができます。

ドラッグストアなどでは、医薬部外品の承認を受けた「手指消毒用アルコール消毒薬」が販売されていますが、承認を受けずに「アルコール除菌薬」などの名称で売られているものもあるので、購入時には注意が必要です。

次亜塩素酸水はアルコールよりも優れた殺菌効果がありますが、医薬品や医薬部外品としての承認を受けていません。そのため、製品に「殺菌」「消毒」と表記ができず、手指や人体への効果・影響を謳うこともできません。

「電気分解方式の次亜塩素酸水」なら厚生労働省から食品添加物に認められていて、安全なのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、厚生労働省から「次亜塩素酸水は、最終食品の完成前に除去しなければならない」「使用後、最終食品の完成前に除去される場合、安全性に懸念がないと考えられる」との指針がある通り、次亜塩素酸水は人体への安全性が確認されていません。だからといって「確実に危険性がある」という立証もされていないですし、独立行政法人 製品評価技術基盤機構は「新型コロナウイルス対策には有効」だと発表しています。

なんだか矛盾しているような…?と思っちゃいますよね。でも、たとえ医薬部外品として認証を受けて安全性が確認されている手指消毒用アルコールであっても、手指を長時間浸したり、何度も繰り返し使用すれば手荒れを起こします。ひどい場合にはアレルギーを起こす可能性だってあります。空気中にスプレーなどで噴霧して、目・鼻・口などに触れれば強い刺激があり炎症を起こすことも。気管から肺に吸い込んでしまったら、肺炎になってしまうかもしれません。

それでも、もちろん正しく使えば、優秀な消毒薬です。手指消毒用アルコールと同じように、次亜塩素酸水も使い方を間違えなければコロナウイルス対策や、そのほかの感染症予防策として有効です。

では、どのように使用すると良いのか、厚生労働省・経済産業省・消費者庁が公開している使用方法のポスターを確認してみましょう。

次亜塩素酸水の使い方

冒頭にお伝えした独立行政法人 製品評価技術基盤機構は、経済産業省の要請を受けて、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、家庭や職場におけるアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、消毒方法の有効性評価を進めていました。今回の最終報告では、以下のように発表されています。

次亜塩素酸水は、以下のものを有効と判断しました。
  • 次亜塩素酸水(電解型/非電解型)は、有効塩素濃度35ppm以上(拭き掃除には80ppm以上、汚れがひどい場合は200ppm)
  • ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(※)は、有効塩素濃度100ppm以上

なお、今回の検証結果を踏まえると、次亜塩素酸水の利用に当たっては以下の注意が必要であることが確認されました。
① 汚れ(有機物:手垢、油脂等)をあらかじめ除去すること
② 対象物に対して十分な量を使用すること

有効とされた条件の次亜塩素酸水を適切に使用することで、新型コロナウイルスの除去が期待できます。ただし、本検証試験は物品に対する新型コロナウイルスへの消毒の有効性を検証したものであり、手指・皮膚等の消毒や、空間噴霧の有効性・安全性に対する有効性を検証したものではないため、注意してください。

※ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムとは、次亜塩素酸分子を含む水溶液の種類で、日本国内のプール水、温泉水に使われています。
空間噴霧時の注意点
独立行政法人・製品評価技術基盤機構から、次亜塩素酸水を加湿器などで空間噴霧する場合は、夜間など人がいない時間帯に行うなど、人が吸入しないような注意が必要との見解が出ています。加湿器などを使用して次亜塩素酸水を空間噴霧するときは、吸入しないようご注意ください。なお、この場合の空間噴霧には、スプレーなどで手元に吹きかけるような動作は含みません。
出典:新型コロナウイルス対策 次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項

次亜塩素酸水のご購入はクロスワーカーへ!

クロスワーカーでは、ステリ・プロと、G-MISTという次亜塩素酸水商品を販売しています。ご購入やご相談はメールで承っておりますので、お気軽にお問い合わせください!

ステリ・プロ

次亜塩素酸ナトリウム液と希塩酸を希釈混合して、phを人肌と同じpH5.0–6.8に調整したもの。原液塩素濃度は200ppmで、水道水や50度前後までのお湯で希釈し、2倍希釈で100ppm、4倍希釈で50ppm相当となります。次亜塩素酸水は時間とともに劣化するため、3ヶ月を目処に使い切ってください。

G-MIST

次亜塩素酸イオン水溶液と純水が主成分で、濃度約50ppm、微酸性(PH5.0~6.5)の次亜塩素酸水。次亜塩素酸水の長期安定性に成功し、製造特許を取得(第6230079号)しています。製造月より未開封1年、開封後はお早めに使い切ってください。

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