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建設現場での熱中症を防止する!〜労働災害をなくすために〜

2020年8月13日
8月になって連日体温を超えるような暑い日が続いています。建設・作業現場での熱中症予防・対策が重要なシーズンです。実際にどのくらい熱中症が発生しているのか、どのような対策をすべきか、クロスワーカーおすすめの対策グッズと一緒にご紹介します。

熱中症は予防できるにも関わらず、職場で熱中症になってしまい亡くなってしまうこともあります。労働災害をなくすために、職場での熱中症対策を強化していきましょう。

毎年どのくらいの人が職場で熱中症になっているのか

建設・作業現場では毎日の朝礼で、熱中症の危険性や対策について注意喚起されているかもしれません。猛暑の中で作業を続けることは危険だと認識されていると思います。しかしこれまで熱中症になったことがないと、「職場で熱中症になる」ことを実感できないかもしれません。

そこで、厚生省がまとめた2019年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」を確認してみましょう。これは職場で熱中症を発症し、亡くなられた方の数と、4日以上も休業せざるを得なくなった方の数です。軽度の熱中症や、3日以内の休業者は含まれていません。
昨年(2019年)の職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者の数は、829名(うち死亡者数は25名)でした。記録的な猛暑となった2018年と比べ、死傷者数、死亡者数とも減少となったものの、死傷者数に占める死亡者の割合は高く、労働災害が後を絶たない状況です。

熱中症と聞くと、子どもが外で遊んでいて、中高生が体育や部活で、高齢者が無理をしたから、熱中症になるものだと思い込んでいませんか?

この統計は「職場」の熱中症を集計しています。つまり、働き盛りの人たちが仕事中に熱中症で亡くなったり、休業しているということです。おおむね40歳代から熱中症発症率が高まります。従業員はみんな若い世代だから大丈夫!と過信せず、しっかりと熱中症対策をしましょう。

それでは、上記のグラフを、業種別で確認してみると…
上の表は2015~2019年の業種別推移、下のグラフは過去5年間(2015~2019年)の累計です。建設業、次いで製造業で多く発生し、全体の4割強がこれら2つの業種で発生しています。

製造業の内訳は食料品製造業、造船業、紙加工品製造業、ガラス・同製品製造業などですが、屋内で作業することも考えられる環境です。最近では猛暑のあまり屋内での熱中症も発生しています。2019年の死傷災害の26%は、屋内で作業に従事していたと考えられる状況下でした。必ずしも屋外だけで熱中症を発症するわけではないという理解が必要です。

なお、表中その他の内訳は、通信業、公園・遊園地、ゴルフ場、その他の事業でした。

夏は熱中症のピーク!夜に発症するケースもあります。

2015年以降の月別の熱中症の死傷者数をみると、全体の9割弱が7月と8月に発生してます。2019年の死亡災害は6月から10月に発生し、7月・8月の死亡災害が多くなっています。

2015年以降の時間帯別の死傷者数をみると、11時台と14~16時台に多く発生しています。また、日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院へ搬送されるケースもありました。日中だけでなく、夜になって熱中症を発症するリスクがあることを意識してください。

また、熱中症で倒れているところを発見されたなど、熱中症発症から救急搬送までに時間がかかっていると考えられる事例も複数発生しています。警備業などでは同僚ではなく、通行人からの通報により救急搬送された事例もあったそうですので、熱中症を発生させない対策が必要です。
真夏の炎天下で作業することも多い建設現場。危険なレベルの熱中症が全産業のなかでも建設業が突出しており、予防の対策が求められていることをお分かりいただけたでしょうか。
熱中症予防対策として、ISO等で国際的に規格化されている暑さ指数(WBGT)を確認し、従業員に対して注意勧告することが望ましいと考えられています。

環境省の熱中症予防情報サイト

環境省の熱中症予防情報サイト:暑さ指数(WBGT)の実況と予測はコチラ

環境省の熱中症予防情報サイトで確認すると、2020年8月13日(木)は、関東甲信越地方では茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県において熱中症警戒アラートが発表されています(関東甲信地方以外は令和3年度から対象ということで、早く全国に広まることを期待したいですね)。

地点を選択すれば、自分の職場はもちろん自宅周辺の「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」を確認できます。

12時現在の暑さ指数を確認してみました!

  • 九州ワーク本社のある長崎県・佐世保 31.9℃(危険)
  • 福岡 29.9℃(厳重警戒)
  • 東京 31.9℃(危険)

下の図は、佐世保の結果をスクリーンショットしたものです。今日はさすがに暑いですから「危険」ですね…!環境省のサイト、とても便利なので現場でも自宅でも活用してみてくださいね。

暑さ指数(WBGT)についての記事

身体作業強度等に応じたWBGT基準値

現在、ISOや厚生労働省は、下表のように身体作業強度別、熱への順化の有無別にWBGT基準値を設けています。この基準値を超える現場は熱中症が発生する危険があるため、熱中症予防対策の徹底を図るための目安としてください。

例えば、長崎県・佐世保は12時時点で31.9℃ですから、屋外での身体作業強度は区分「0安静」またはWBGT値を下げる努力をしながら区分「1低代謝率」が望ましいことになります。もし屋外での作業が必要なのであれば、WBGT値を下げるような工夫を取りましょう。また、例え屋内であったとしても、空調設備のない環境なのであれば、身体作業強度を見直してくださいね。
現場で気象状況を確認し、暑さ指数=WBGT値を測定して、作業強度をコントロールする必要があります。WBGT値が基準値を超え、または超えるおそれのある場合には、冷房等によりWBGT値の低減を図ったり、身体作業強度(代謝率レベル)の低い作業に変更したり、基準値より低いWBGT値の作業場所に作業内容を変更するなど、作業の状況等に応じて柔軟な熱中症予防対策を実施するように努めてください。

クロスワーカーのおすすめ熱中症対策グッズ

現場環境をWBGT基準値に合わせて整備していくことと同時に、企業・個人で対策できる熱中症対策も必要です。

実は死亡災害の中には、防護服や着ぐるみなど、熱中症発症時に通気性の悪い衣服を着用していた事例も発生しています。夏に適した作業着や、暑さ対策がされたワークウェアを着用するだけで防げる事故があるんです。

そこで、クロスワーカーのおすすめ熱中症対策グッズをご紹介します。

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