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ドクターコートの選び方–美しい白衣の世界

2020年5月11日

素材と機能性から考える、美しい白衣選び。

医療従事者の皆さまにとって、日々纏う白衣は相手への印象づけはもちろん、ご自身のモチベーションにも関わる大切な仕事着です。

ドクターコートなんてみんな同じ?

そんなことはありません。白衣の素材と機能性について知っておけば、違いが明確です。美しい白衣をセレクトできるよう、ドクターコート(白衣)の選び方をご紹介します。

ドクターコートを選ぶ要素

医療従事者の皆さまにとって、日々纏う白衣は相手への印象づけはもちろん、ご自身のモチベーションにも関わる大切な仕事着です。ドクターコートなんてみんな同じ?そんなことはありません。白衣の素材と機能性について知っておけば、違いが明確です。ご自身の好みに近い白衣をセレクトできるよう、ドクターコート(白衣)の選び方をご紹介します。

ドクターコートを選ぶときに考えて欲しい要素は以下の3つ。

  1. 機能性
  2. デザイン
  3. サイズ

命を預かるワークウェアだからこそ、まず考えたいのは機能性です。そして、ご自身のモチベーションにも関わるデザイン。患者さまやご家族に与える印象をスマートにしたり、信頼感につながるスタイリッシュなイメージや、優しさや柔らかさを伝えることもできます。最後に、どんなに良いドクターコートでもサイズが合っていなければ印象は変わってしまいます。だから今回は、この3つの要素に着目してご紹介していきます。

1.機能性

ドクターコートで重要な機能性は

  • 衛生、清潔に配慮する機能
  • 動きやすさを阻害しない機能
  • 患者さまに印象づける機能

といえます。

衛生、清潔に配慮する機能

衛生、清潔に配慮するための機能は以下のようなものがあります。
(1)制菌性
(2)防汚性
(3)撥水性
(4)吸汗性
(5)制電性(静電気の防止)

まず着目したいのは(1)制菌性です。医療ウェアの素材に施されることの多い制菌加工。抗菌加工と違い、有害な菌の繁殖を抑えることができます。
制菌加工:繊維に付着した菌の繁殖を抑える。有害な菌の増殖を抑える
抗菌加工:防臭目的で、ニオイの原因となる黄色ブドウ球菌の繁殖を抑える

制菌性能を確認する際には、SEKマークを確認しましょう。SEKマークは色別になっており、医療や介護の現場で使用するものは、赤です。赤のSEKマークは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球)の原因菌の抑制効果が認められています。
続いて、(2)防汚性、(3)撥水性を確認しましょう。
汚れをつきにくいかどうかと、着いた汚れを早く落とせるかがポイントです。防汚加工、撥水加工といった表示があるものは、生地自体にコーティング剤などで加工を施しているため、上記性能があるものとなっています。

そして、(4)吸汗性。吸汗速乾性能があるものであれば、汗をかいたときでも清潔を保ちやすくなります。

また、商品によっては(5)制電性(静電気の防止)として、制電性能、帯電加工が施されているものもあります。一般的な診療での必要性は低いかもしれませんが、精密機器を取り扱う方や研究職の方には必須かもしれません。

動きやすさを阻害しない機能

動きやすさを阻害しない機能は、以下のようなものがあります。
(1)吸汗速乾性能
(2)通気性
(3)稼働しやすさ
(4)形状安定
(5)着脱のしやすさ

(1)〜(4)にとって重要な要素は、「素材」と「組織」です。
素材に関しては、大まかに分けると2つあります。綿などの天然繊維なのか、それともポリエステルなどの化学繊維なのかという見分け方です。
綿には、吸湿性が高い、着心地が良い(肌触りが良い)という特徴があります。乾きやすい、通気性が良い、軽い、形が崩れづらい(シワになりづらい)といった特徴は、化学繊維のポリエステルです。
機能性を重視するならば、ポリエステルの比率が高いものを選択することが良いでしょう。着心地を求めるならば、ポリエステルと綿が入っている混紡繊維などが好ましいでしょう。

組織は、編物なのか、織物なのかという違いです。
編物は編目を作って糸を絡ませる組織で、糸の方向性により伸縮する性質があります。吸水性に優れますが、反面、乾きが遅いという特徴があります。Tシャツやニットなどがこの組織の生地で、よく見ると糸がループ状になっていることがわかります。
織物はタテの糸とヨコの糸を交差させる組織で、伸縮性はほとんどありません。しっかりした手触り感や光沢などが特徴です。吸水性はあまりなく、乾きが速く制電性能は高いです。
そのため、スクラブなど直接肌に密着し、体の動きに関係する衣服の場合は編物のほうが適切ですが、ドクターコートは織物のほうが適切であるといえるでしょう。
ただし、ジャストサイズで着用する場合は、織物の中でも伸縮性に特化したものをセレクトすることをお勧めします。

(5)着脱のしやすさについても、スクラブ等であれば伸縮性が重要ですが、ドクターコートは羽織るため伸縮性よりも、シングルなのかダブルなのかといった前立てのデザインと、ジッパーなのかボタンなのかといった違いで比較すると良いでしょう。一般的にはシングルのドクターズコートのほうが着脱はしやすいです。

2.デザイン

ドクターコート選びの際のデザインのポイントは、前立て、袖丈、透過性、収納スペースです。

[前立て]
前述したとおり、スーツと同様、シングルなのかダブルなのかという選択ができます。

[袖丈]
半袖、長袖のほかに、七分丈などもあります。

[透過性]
スクラブやボトムスは下着が透けてしまうことを避けるために、透過性の低いものを選択すべきです。ただ、ドクターコートは透け感を気にしなくても構いません。敢えて夏用は透過性の高い生地のものを選ぶと、暑苦しいイメージにならず、涼しい印象を与えることもできます。

[収納スペース]
外ポケット、内ポケットなどです。単に収納力を比較するだけでなく、メーカーによっては、ポケットの周囲を折返しなどで加工し、シルエットが細見えするように工夫しているものもあります。

デザインに関しては、好みで決める要素が多いので、ご自身の動き方をイメージされることで、最適なものを選べることでしょう。

3.サイズ

どんなに良い商品を選んでも、サイズが違ってしまえばその良さが消えてしまいます。大きいサイズを着用すれば、動く際に邪魔になり、見た目にも野暮ったさが出てきます。小さいサイズを着用しても、可動域が狭まり、動きづらくなってしまいます。

そこで、着丈、肩幅、バスト、袖丈は自身にあったものを選びましょう。難しいのは、商品サイズとお身体のサイズの誤差をどの程度にするかというポイントです。測り方と着用感の目安をご紹介します。

[着丈]
首の後ろの中心から、垂直に裾まで測った長さのこと。
膝上あたり(上腿の中心あたり)に裾が位置されるものが多いです。
短め、長めなどを好む方もいらっしゃいます。
男性は通常の着丈が無難です。

[肩幅]
片方の肩から首を通り、もう片方の肩までを測った長さのこと。
スクラブ等の場合はほぼジャストサイズで構いません。
ドクターコートの場合は、インナーのことを考え、+2〜3cmのものを選択すると良いです。

[バスト]
脇の下の上半身の最も太い箇所を水平に、周囲(巻くように)を測った長さのこと。
測定値に6cm~8cm足した商品を着用するとフィットした着用感となります。
測定値に+9cm~11cm足した商品を着用するとゆとりのある着用感となります。
測定値に+12cm~14cm足した商品を着用するとゆったりした着用感となります。

[袖丈]
肩先の縫い目から、袖口までの長さのこと。
概ね、3cm程度長いものがジャストサイズです。
5cm以上長いものの場合は、袖が長いという印象を与えます。

まとめ

ドクターコートの選び方はいかがでしたか。機能、デザイン、サイズにこだわり、選ぶことで、快適な仕事が可能となります。ぜひ、実際の商品をチェックしてみてください。
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